土地境界紛争

土地の「境界」って、1種類じゃないんですけど、ご存じですか?

土地の「境界」という日常表現をよく聞きます。ところで、日常用語で「境界」というのは、1種類の意味ではないのです。厳密に法的に分類しようとしてすぐに思いつくだけでも、所有権界、筆界、占有界、公物管理界などが思いつきます。そのほかにも、行政界だとかもあります。日常用語の「境界」は、玄人泣かせの多義的概念なのです。お隣同士で土地の「境界」紛争が生じた際には、所有権界、筆界、占有界の3つのラインがどうなっているのかを分析的に検討することが、紛争解決のために重要です。所有権界と筆界は、原則的には一致すべきものではあるのですが、様々な事情によって、異なる位置に存在することもあるのです。筆界と所有権界がズレることがあり得ることだということは、一般の方にはイメージしづらいかも知れませんが、これこそが、「境界」紛争が生じる原因の一つと言って良いと思います。所有権界、筆界、占有界を分析的に検討することは、一般の方にはかなり難しい作業です。正直なところ、玄人でも難解な分野の一つです。この分野の専門家は、弁護士と土地家屋調査士です。土地の境界紛争は、一人で悩まず、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。