内容証明郵便

内容証明郵便の意味

内容証明郵便は、①内容証明をつけることで、文書の記載内容を郵便局(郵便事業株式会社)に証明してもらい、②配達証明をつけることで、その記載内容の文書が名宛人に到達したことを証明してもらえます。要するに、文書に記載した内容の証明と、その内容の文書が届いたことを証明できるというわけです。何らかの意思表示が相手方に間違いなく到達したことを証明するための手段です。民法上の催告の証拠を残して消滅時効を中断させた(内容証明郵便の後に、訴訟提起などが必要になります。)ことの証明に使ったり、賃貸借契約などの契約を解除する意思表示をしたことの証明に使ったり、クーリングオフの意思表示をした証拠を残すために用いたりします。

解除や取消の意思表示をする内容証明郵便

内容証明郵便は、契約を解除する意思表示や取消した意思表示があったことを証拠に残す手段としてもよく用いられます。最近では、ネット上でも内容証明郵便の書き方などのアドバイスが説明されたりしていることもあり、ご自分で作成され内容証明郵便を出す方もいらっしゃいます。ご自分で内容証明郵便を出すのももちろん良いのですが、残念なことに、ご本人自身で作成されたもののなかには、記載内容が不十分であったり、物足りなかったりするものも見かけます。特によくあるのは、解除原因の記載内容が物足りないものです。不動産の賃貸借契約を解除する意思表示をする内容証明郵便でよく見かけます。解除原因を明示しなくても解除の意思表示は有効である、という法解釈(判例)があるので、解除原因の記載が不足しても解除の意思表示自体はなされたことにはなります。ですから、解除通知の最低限の役割を果たしたとは一応言えます。しかし、契約を解除するような場合には、解除原因の存否、内容に関して当事者間で争いがあることがほとんどです。内容証明郵便に解除原因の具体的事実を記載しておけば、後日、万一訴訟になったとしても、一貫した解除原因の事実主張をしている証拠が残せるのです。解除原因が記載されていないと、解除原因事実を一貫して主張しているのかどうかはよくわからないままになることもあります。契約解除に至る事実経過の中で、解除原因事実として重要な事実がどの事実であるのかに関しては、判断が難しい場合もあります。そんなときは、弁護士に相談することをお勧めします。解除原因を内容証明郵便に明示しますと、その郵便を出した相手方が、その内容証明郵便を持参して弁護士に相談した際に、その弁護士がその解除原因を読むことにつながります。このようになれば、紛争が早期に解決される可能性も生まれてくるのです。せっかく証拠を残すのですから、後で訴訟になったりしたときにも、大きな役割を果たしてくれるように内容証明郵便の記載内容を充実させておいたほうがよろしいのではないでしょうか。